3/29/2015

アルバートキングのライブ名録音 トップ3!!




前回に引き続きアルバートキングのライブの名録音について書きたいと思います。
(アルバートキングのライブ盤は後から未発表曲がいろいろな形で発売されているので、アルバムごとではなくライブ録音されたイベントごとに分けて書きます。)
たくさんあるアルバートキングのライブ録音の中でも特に素晴らしいイベントをまず3つ紹介します。


トップライブその1 1968年6月サンフランシスコのフィルモア劇場(FillmoreAuditorium)でのライブ 

トップライブその2 1973年スイスのモントルージャズフェスティバル(Montreux Jazz Festival)での録音

トップライブその3 1975年スイスのモントルージャズフェスティバル




それではまずその1:1968年6月サンフランシスコのフィルモア劇場(Fillmore Auditorium)でのライブ 


6月25,26,27の3日間行われたライブです。このうち26日と27日の2日間録音されたようです。 その時の録音からまずアルバム「Live Wire / Blues Power」として発売され、これは名盤中の名盤とされています。(発売も1968年) 
あるディスコグラフィーなどでは「Fillmore West」での録音とされていますがそうではなく「Fillmore Auditorium」で間違いないと思います。 フィルモアという名のコンサート会場はサンフランシスコに「Fillmore Auditorium」と「Fillmore West」と2つありそれにニューヨークに「Fillmore East」が存在したので混乱しがちです。 「Fillmore West」はこのライブの直後、1968年の7月にオープンしました。 このライブの「Ooh-Ee-Baby」の演奏中にアルバートキングが「10月にサンフランシスコにまた帰ってきてそのときは新しいクラブに出演する予定だ。」と言っています。

とにかくこの2日間のアルバートキングはギターが最高にのってます。 それにスタックスレコードがアルバム発売目的で録音したからでしょうか、音もほかのアメリカ国内で録音された録音に比べると格段に良いです。




このアルバムの中からタイトル曲「Blues Power」がシングルカットされて発売されましたが、シングル盤は語りの部分からギターソロに入ったところでフェイドアウトされてしまっているので、聴くならぜひこのアルバムの10分16秒の名演を聴いてください。 それからシングル盤の裏面はアップテンポの名曲「Night Stomp」だったようです。 この曲も6分近くと長いので途中でカットされていたのでしょう。 
 
アルバムの収録曲は次の通り。

Watermelon Man
Blues Power
Night Stomp
Blues At Sunrise
Please Love Me
Look Out

インストゥルメンタルが3曲、「Blues Power」も語りのみなので歌は2曲のみです。 でもそれがまたブルースギターファンにとってはうれしいのです。かけがえのない宝のようなライブ盤です。名曲「Blues At Sunrise」もこの録音をきっかけにライブの定番にりました。 この曲に関して本人が後日「ジミヘンドリクスとジャニスジョップリンとともに録音した。」と言っているのですがこのライブ盤ではありません。 この幻の 「Blues At Sunriseの謎?」についてもまた後日書きます。
BBキングの「Please Love Me 」もよく聞くと、ところどころBBの影響が見られるも面白い。
「Look Out 」は実は「Overall Junction」という彼の定番ナンバーです。 曲を始める前にバンドにむかって「Look Out!」(よく見てつい来いよ、という風な意味。)と言っているのでそのままこのタイトルで発売されたようです。

このライブの残りの録音が1990年に「Wednesday Night In San Francisco」と
「Thursday Night In San Francisco」の2枚に分けて発売されました。



 Wednesday Night In San Francisco



Watermelon Man
Why You So Mean To Me
I Get Evil
Got To Be Some Changes Made
Personal Manager
Born Under A Bad Sign
Don't Throw Your Love On Me So Strong





Thursday Night In San Francisco

San-Ho-Zay
You Upset Me, Baby
Call It Stormy Monday
Everyday I Have The Blues
Drifting Blues
I've Made Nights By Myself
Crosscut Saw
I'm Gonna Move To The Outskirts Of Town
Ooh-Ee-Baby







困ったことにどちらも同じようなデザインなのでこれもまた混乱しがち。内容はどちらも素晴らしいのでぜひ3枚とも買ってじっくり聴いてもらいたいです。BBキングをカバーを3曲もやっているのが大変また興味深い。(Everyday I Have The Blues もおそらくBBのバージョンを意識している。)

イントロ曲「Watermelon Man 」を除くとダブっている曲がないので実はまだアウトテイクがあるのではないかと期待しています。 2日とも全くダブらないようにライブをやったとは少し信じられないので。 いつかスタックスが掘り出してくれるかな?

またこのライブでのドラムはサンシールズではないか?という噂がよく聞かれたけどどうやら違うようです。




トップライブその2 1973年スイスのモントルージャズフェスティバル(Montreux Jazz Festival)1973年7月1日のライブ


このスイスでのフェスティバルの演奏がそれまた素晴らしいのです。 
しかもバンドがスタジオ録音のアレンジメントをかなり忠実に演奏しているのがまたいいのです。
こんなに素晴らしい録音なのに15年間発売されなかったようです。 1975年にスタックスが倒産して未発表のまま眠っていたのを1988年に復活したレーベルから「Blues at Sunrise」というアルバムが発売されました。









Blues at Sunrise


曲目
Don't Burn Down the Bridge
I Believe to My Soul
For the Love of a Woman
Blues at Sunrise
I'll Play the Blues for You
Little Brother
Roadhouse Blues

このようにスタックス後期の名曲ばかりです。 「Roadhouse Blues」でギターのDonald Kinseyがソロをとったあと「That's My Son!」と紹介しているのが感慨深いです。 

「Blues at Sunrise」の最中「オルガンの音を下げてくれ」だとかいろいろ音響さんに注文をつけています。 途中大声で怒鳴りつけています。 ほかのライブ盤でもなぜか「Blues at Sunrise」を演奏してるときいつも音響さんに文句を言っている録音が多いのです。 この話題もまたいつか「Blues at Sunriseの謎」として記事にしますね。


この1973年のフェスティバルからさらに2枚のライブ盤が発売されています。








Montreux Festival の後半3曲

Don't Make No Sense
Call It Stormy Monday
For The Love Of A Woman

「For The Love Of A Woman」はBlues at Sunrise CDとは別テイクでキーまで違うのでちょっと同じフェスティバルの演奏なのか疑問です。 このCDのバージョンは途中アルバートキングがギター弾くのをやめドナルドキンゼイにソロを任せます。おそらくステージを降りていったのでしょう。
ライブの最後の曲のようです。アナウンサーが最後「good night」と言っています。これはアンコールでもう一度同じ曲をしかし違うキーで演奏したのかな? そういったあたりは想像することしか出来ないです。








Blues at Sunset のCD後半4曲


Match Box Blues
Watermelon Man
Breaking Up Somebody's Home
Call It Stormy Monday


このCDの「Call It Stormy Monday」はMontreux Festival CDと同じテイクですがカットなしの11分43秒全部聴けます。

でもはじめと終わりが全く同じようです。ということはMontreux Festival CDのバージョンは真ん中のどこかが省かれているはず。 いつかまたじっくり聴き比べて省かれた部分を見つけましょう。







トップライブその3 1975年スイスのモントルージャズフェスティバル


同じスイスの2年後のモントルージャズフェスティバルでの録音でこちらもギター、バンドともに素晴らしいのです。 (ゲストはそんなに素晴らしくないですが。)



このトマトというレーベル在籍時のライブ盤は1977年に発売されたので1977年の録音と表記されていることも結構見かけますが録音は1975年です。

僕が持っているCDの曲目は

Watermelon Man
Don't Burn Down The Bridge
Blues At Sunrise
That's What The Blues Is all About
Stormy Monday
Kansas City
I'm Gonna Call You As Soon As The Sun Goes Down
Matchbox Holds My Clothes
As The Years Go Passing By
I'll Play The Blues For You

LPで当初Utopiaというレーベルから発売された時は2枚組で 「Jam In A Flat」 「Overall Junction」の2曲も収録されていたのですがCD化されたのは1枚にまとめられこの2曲がカットされました。

しかし2003年に この2枚組CDが発売され、しかもライブ演奏時の曲順そのまま(これは僕の憶測)再発されました。






Disc: 1
1. Overall Junction
2. Blues At Sunrise
3. Kansas City
4. As The Years Go Passing By
5. That's What The Blues Is All About
6. Matchbox Holds My Clothes

Disc: 2
1. Watermelon Man
2. Stormy Monday
3. Don't Burn Down The Bridge
4. I'm Gonna Call You As Soon As The Sun Goes Down
5. I'll Play The Blues For You
6. Jam In A Flat

しかしこのCD10年以上たった今入手は結構困難です。アメリカのオークションサイトEbayでは50から80ドルくらいの値がつけられています。

Rory GallagherとLouisiana RedそれにLowell Fulsonがゲスト参加しています。

「Jam In A Flat」はアルバートキングの古い名曲、「Don't Throw Your Love On Me So Strong」ですが、スライドギター、ともう一人のチャラチャラギターおそらくLouisiana Red とRory Gallagher?がかなり邪魔です。 Lowell Fulsonが「3 oclock blues?」風な歌を歌っています。 しかし少し酔ってるかな?

このライブの聴きどころはまず「Kansas City」。スタックス時代からの持ち歌ですが、このライブでのアルバートのギターソロは最強です。 ぜひ聴いてください。
あとこのライブでの「Blues At Sunrise」は僕が一番好きなバージョンです。 最初の1音から最後の1音まで完璧なアルバートキングが聴けます。 バンドも音量レベルにかかわらずテンポをほぼ’キープしてくれています。 音の大小が素晴らしいので大音量で聴いてほしい録音です。 
 曲を始める前に「Fillmore Westで録音した。」と言っておりますが、これは彼の勘違いか?
終わった後ここでも、音響の問題があるような事を言っています。 これもまた「Blues At Sunriseの謎」


いろいろだらだら書いてしまいましたがこの3つのライブはすべて素晴らしいのでぜひ入手できるものから入手して聴いてください。 聴きだすと止まらなくなります。









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